『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』
250匹の犬が街を疾走する。
そこには恐怖や嫌悪はなく、ただただ「ごめんなさい」の気持ちだけでした。
いつか、必ず彼らから復讐される時がくるだろう。その時私は、大人しく殺されようと思いました。
リリがトランペットを吹き、一匹一匹が伏せる時の顔。ハーゲンだけでなく、ここにいる全ての犬が人間の手により辛い目にあわされた。みんな。そんな彼らの瞳!
リリは、吹奏楽団にハーゲンを連れて行き先生に怒られた時の帰り道で、父親に「(ハーゲンを)捨てるか」って言われて「そうだね」って言っちゃうんだよね。怒られて気持ちが荒れてたし、もちろん父親が本気でそうするとは思わなかっただろうけど。
でも、一度でも「捨てていい」と言ってしまった。全ては、その言葉への「ごめんなさい」の気持ちで動いたんじゃないかなと思う。(もちろんハーゲンへの愛も)
リリの初恋の男の子も、リリをクラブに放置したことへの「ごめんなさい」の気持ちがあったから、最後に自転車のカギを渡したのかな。
またこの男の子も良くてさ、怒られてる時にピアノ弾いたり。
私も、犬を飼っていました。
小、中、高校、大学と、長生きしてくれた、可愛い犬です。
私はというと、子犬の時は抱っこして可愛がっていたけれど、だんだん自分の、学校やら色々なことに夢中になり。家族に世話を任せたり。
でも、あの子にとっての世界は、うちの家族しかなかったのにね。伏せる犬たちの瞳を見ながら、思い出して、心の中の「ごめんなさい」が次々と溢れてきました。
映画から現実へ。私に出来ることを。
本当にありがとう。